【タイプ別】中医学から見た認知症対策<食養生>
- 澤田みのり

- 5 日前
- 読了時間: 10分

こんばんは! 国際中医師・ピラティス講師の澤田みのりです。
これまでの西洋医学では、認知症は脳のどこでなにが起きているかといった脳そのものの問題としてとらえられてきました。
しかし近年、認知症は脳だけの問題ではなく全身と深く関わるものとして見直され始めています。
生活習慣や代謝障害などが認知機能の低下と関連していることが分かってきたのです。
日々の暮らし方と健康の関わり・不調と全身との関連性を考えるのは、東洋医学が昔から大切にしてきた考え方とも重なります。
東洋医学では、脳の症状を単独で切り離して考えません。
五臓六腑の働きの連携・体質・感情の偏りなど、全身のバランスの乱れが脳にどう影響しているかという視点でとらえます。
この記事では、東洋医学的視点から4つのタイプに分類したチェックリストをつくってみました。
が💡
不調のサインや体質はそのときどきで変化するものです。つまり、いまはタイプAだったとしても、時間が経つにつれてタイプCに変化するかもしれないということ。
ですので、そのときどきの「いま」の自分の傾向を知るための目安としてご活用ください。
そして「いま」の傾向がわかったら、日々の生活でどのような工夫をしていけばいいのか、一緒に考えていきましょう!
もくじ
1. あなたの脳はどのタイプ?
2. タイプA
2-1. タイプAの食養生
3. タイプB
3-1. タイプBの食養生
4. タイプC
4-1. タイプCの食養生
5. タイプD
5-1. タイプDの食養生
6. タイプによらず、みんなが意識したい認知症対策養生
6-1. 食べるときの養生
6-2. 食べるタイミングごとの養生<< あなたの脳はどのタイプ?>>
タイプA〜タイプDのどのタイプに一番多くチェックがつくでしょうか?
ぜひご自身やご家族の状態を思い浮かべながらチェックしてみてください。
ひとつだけでなく、複数のタイプにチェックがまたがったのではないかと思います。
その場合は、チェックが一番多いタイプから優先的に対策してみてください。
また冒頭でもお伝えしたとおり、五臓六腑の連携の乱れや体質はそのときどきで変化します。
季節の変化
ライフステージの変化
繁忙期や閑散期
ストレスの影響の変化
生活リズムの変化
引越しや異動など環境の変化
などなど、私たちの日常から切り離せない何気ない変化も体に影響するものです。
ぜひ定期的にチェックリストを見直してみて、体の変化に気づくきっかけにしてみてくださいね。
<<タイプA>>
Aのチェックが多かった人は「瘀血タイプ」。
瘀血とは血の老廃物のこと。
正常な血が減り、古い血がうまく流れず滞っている状態です。血の滞りは脳の働きにも影響します。
血を循環させるにもエネルギーが必要です。
疲れやすかったり、体力が落ちていたりしませんか?
エネルギーが不足すると血の循環が遅くなり、古い血がうまく流れずに滞ってしまいます。
体を動かすエネルギーを中医学では「気」と言い、各臓腑を働かせるのにも「気」の力が必要です。(理由(1)の「エネルギー」も、この「気」を指します)
しかし、長期間にわたってストレスが続いたり、急に強いストレスを受けたりすると、「気」がうまく体内を行き渡れません。滞ってしまうからです。
この気が滞った状態を「気滞(きたい)」と言います。
血を車に例えると、気は運転手のようなもの。
運転手が車をうまく操作できないと車は走れないですよね。
それは気も同じで、気が滞ると血の流れも滞り、瘀血になってしまうのです。
冷えは筋肉や組織を収縮させてしまい、血流が低下してしまいます。
たとえば、高脂血しょうや糖尿病の影響で血質が悪くなっていたり、高血圧や動脈硬化などで血管の状態が悪化していたりすると、新鮮な血がうまく巡りません。
その結果、瘀血を招いてしまいます。
次のようなものを頻繁に食べる習慣があると血質が悪くなり、瘀血を招きます。
お刺身などのなまもの
アイスや氷たっぷりの飲み物など、冷たい飲食物
砂糖たっぷりの甘いもの
揚げ物、ピザやハンバーガーなどファストフード、ケーキなどの洋菓子といった、脂っこいもの
また、水分不足も血流の低下から瘀血を生じやすくさせるので注意が必要です。
<タイプAの食養生>
血流を促して瘀血をとる「活血(かっけつ)」作用のある食材は、辛味のあるものが多いです。冷えがある人にも辛味をもつ食材がおすすめ。
私はエスプレッソにシナモンパウダーを少々かけるのにハマっています☺️
高血圧の人は、熱を冷ます涼性の食材で対策をするのも大切です。
ケツメイシは「ハブ茶」という名前でお茶として売られています。
菊花もお湯で2〜3分蒸らせば「菊花茶」の完成🌼 菊花を手持ちのお茶にブレンドするのもありです。
私は乾燥タイプの菊花を購入しています。菊花は萼を取って酢の物にしても美味しいですよ💡
血管を柔らかく保つ海藻類や、血流を促すお酢もおすすめ。
酢の物にしたり、サラダに混ぜたり、いろいろな食べ方で楽しめますね!!
<< タイプB>>
Bのチェックが多かった人は「腎虚タイプ」。腎が弱っている状態です。
腎は脳と関連するため、腎の不調は脳にも影響します。
腎が消耗して弱ってしまう原因として、下記が考えられます。
過労や疲れすぎている状態が長引く
慢性疾患
加齢
更年期
性生活の不摂生
<タイプBの食養生>
誰にでも訪れる加齢や更年期、すぐに良くなるわけではない慢性疾患。
それらを前にすると「どうにもならない」と感じてしまうかもしれません。
ですが、中医学では「それ以上、腎を消耗させないようにしよう」ととらえて取り組みます。つまり、まずは現状維持を目指して悪化を防ぐという観点です。
その結果改善につながることもあります。
また、過労や疲労、不摂生などは過剰になっている部分を控えてからだを休ませる工夫も大切。
食材では、腎の働きをサポートする次のようなものを摂り入れるといいでしょう。
「虚」に対してまず考えたいのが補うこと。
次の食材は補腎の薬膳でよく使われるものです。
特にくるみは、脳を健やかに保つ食材として薬膳でよく使われます。
なぜなら、くるみは脳と似た形をしているから。
中医学には「似類補類(にるいほるい)」と言って「似たものはそこを補う」とする考え方があるからです。
腎の弱点のひとつが冷え。からだを温める性質をもつ食材を摂り入れるといいでしょう。
特にニラは「壮陽草(そうようそう)」とも呼ばれ、陽気を温めて寒さを取る働きをもつので、腎虚によく使われます。
中医学では食材の色も五臓に関連すると考えており、関連する色の食材はその五臓の働きを助けます。
腎に関連する色は黒。たとえば次のような食材です。
ちなみにキクラゲには白キクラゲもありますが、白と関連する五臓は肺。腎を考える場合は黒色を選びましょう。
<< タイプC>>
Cのチェックが多かった人は「気血両虚タイプ」。「気」も「血(けつ)」も不足している状態です。
気血両虚と脳はどのように関連するのでしょうか。
気が不足しているということは、エネルギーが不足しているということ。
エネルギーを生み出せないと、体の働きが低下します。
そうすると脳を滋養できず、認知機能低下を促進させてしまう可能性があるのです。
血が不足しているということは、からだの栄養分が不足しているということ。血がからだの隅々まで充実していないと、脳の機能にも悪影響を与えてしまいます。
特に女性は、生理中〜生理後に血虚になりやすいので注意が必要です。
<タイプCの食養生>
食べたり飲んだりしたものをうまく消化できることが、エネルギーである「気」を生み出す秘訣。消化機能を担う「脾胃(ひい)」の働きを高めましょう。
そして同時に、からだの栄養分である「血(けつ)」を充実させるような食材を選びましょう。
温性・甘味の性質をもつ食材は脾胃の働きを高めます。
薬膳では、香りの良い食材を活用して食欲を促します。
私は、スターアニスを鍋やスープの香りづけに使うのがお気に入りです✨
血を養う働きをもつ食材を摂り入れましょう。
ぶどうはレーズンでもいいです。
なつめはデーツとは違うので、お間違い無く💡
私はなつめも龍眼肉も、中華食材スーパーなどでドライのものを購入して使っています。
(中華食材スーパーでは「大棗(たいそう)」という名前で売られていることが多いです)
お茶に入れて甘みを出したり、ご飯やスープに入れたり、いろいろな使い方ができて便利ですよ。
龍眼肉は水分を含むとライチのような見た目と味になって、デザートにしても美味しい☺️
<<タイプD>>
Dのチェックが多かった人は「肝鬱気滞(かんうつきたい)タイプ」。
五臓の「肝」の働きが低下し、「気」が滞っている状態です。
気を巡らす働きを担うのが五臓の「肝」です。
ストレスや更年期・加齢などがきっかけで肝の働きが低下すると、気滞になりやすくなります。
タイプAでも触れましたが、血流には気の流れも必要です。肝の働きが鈍って気が滞ってしまえば瘀血も生じやすくなってしまいます。
<タイプDの食養生>
「肝」に作用する五味である「酸味」を摂って、肝のケアをしていきましょう
「肝」はストレスの影響を受けると不調になりやすいという特徴をもちます。
巡りを促す「花」や香りの良い食材で、巡らせて詰まりをとるケアをしていきましょう。
私は中華食材スーパーでドライの花を買ってお茶に入れることが多いです😌
花にお湯を注いで、2〜3分蒸らすだけのことも。甘みが欲しいときは蜂蜜を入れると美味しいですよ。
ハーブのお店などでもお茶用のドライの花をよく見かけます。
ストレスを感じると肝の働きが高ぶってイライラしやすくなります。
イライラすると気持ちだけでなく、血圧も不安定に。
血圧の状態は「血(けつ)」にも影響します。血圧の安定に使われる薬膳も摂り入れるといいでしょう。
桑の葉・柿の葉・ハブ(草決明)はお茶としてパックで売られていて手に入りやすいです。
先述した花と組み合わせて飲むと、香りも良くなって美味しく飲めますよ🌼🌿
<< タイプによらず、みんなが意識したい認知症対策養生>>
<食べるときの養生>
<食べるタイミングごとの養生>
朝はしっかり食べて、エネルギーの源を補充する時間です。
午後は活動の時間なので、カロリーの高いものを食べてもかまいません◎
あとは寝るだけで、活動量が減る時間。食べ過ぎに注意です。
19時までに済ませるのが理想的でしょう。
現在では、健康診断のデータから認知症リスクを発見できるようになってきています。
そして、食事や運動といった日々の養生が症状を改善させたり、進行を緩やかにしたりすることが研究から明らかになってきました。
日々の暮らしを見つめて、少しでも長く自立した生活を送れるように、いまからできることを取り組んでいきたいですね。
(参考)
辰巳洋主編(2009),『一語でわかる 中医用語辞典』,源草社.
櫻井大典(2018),『ミドリ薬品漢方堂のまいにち漢方:体と心をいたわる365のコツ』,ナツメ社.
辰巳洋(2022),『改訂新版 薬膳素材辞典:健康に役立つ食薬の知識』,源草社.
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